結局原発は増えてるのか減ってるのか?世界ではこんな感じ

いや〜いつかこんな体制になるのではと思っていましたが、やっぱりそうなりますよね。

 

www.nikkei.com

東京電力ホールディングスと中部電力日立製作所東芝の4社が原子力事業で提携協議に入ったとのこと。

 

国内外で原子力発電の安全基準が厳しくなり、日本ではいわずもがなフクイチの事故があって原発は完全に逆風が吹いている状況ですが、今ある原発だって再稼働しなければいけないし技術は絶やしちゃいけない、、ということで4社が手を組むということです。

 

普通に頭が悪い感じで考えれば、これだけ馬鹿でかいビジネスをやろうとしても1社だけでは到底できそうにないというか、リスクがあまりに大きすぎて責任の取りようがないのが原発なわけで、連携して当然だろうなと思います。

 

記事によると「廃炉連合」とも言われているとか。シニカルな響きですが、実際そうなってくんだろうなと。今後特に日本で求められるのは廃炉、いかにして安全に効率的に低コストで原発を解体していくかの技術なわけで、原発の新設よりも喫緊の課題になっていくと思います。

 

もちろん現場最前線で、原発で頑張っている方にはまた違ったビジョンが広がっているのかもしれませんが、世界のエネルギー事情の変化を見てみると、「あぁ、原発の夕暮れ」というような慕情がこみ上げてきます。

 

(にしても、東芝や日立、三菱重工の方々は気の毒だなぁ。。財務的にはどう考えてもNGな原発に国策として関わり続けなければならない関係性があるんだろうなぁ。。)

 

このグラフ、世界全体の風力、太陽光、原子力の純増発電容量です。(『世界 再エネ革命』 P151から作りました。)つまり2000年以降、世界で原発はどのくらい増えているのか?同じく風力や太陽光はどのくらい増えているのか?を表しています。

 

f:id:hippari_udon:20180826222122p:plain

 (元の出典:WNISR, IAEA-PRIS, BP Statistical Review 2017)

 

ざっくり、2000年から2016年で増えたのは、

原子力:3,600万KW (原発36基分)

太陽光:3億100万KW (原発301基分)

風力:4億5,100万KW (原発451基分)

です。

 

原発の少なさ。。

風力は原発の約12.5倍、太陽光は約8.4倍の純増ですね。

これはもう明らかに原発の魅力が低下し、再生可能エネルギーへの投資が増えているということになろうかと思います。

 

もちろん2016年までの指標ですし、パリ協定以降の低炭素社会に向けた選択肢の一つとして原発が否定されたわけではないので、今後は分からない面もありますが、とはいえ原発の相対的な価値が低下していることは言えるんでしょうね。

 

そんな原発を新たに作ろうとしたり、輸出したりしようとしているのが日本ですが、果たしてどこへ行こうとしているのか、、、